「アートポスターの専門店」と謳う当店ですが、アートに関するブログはそれなりに発信してきたものの、ポスターについては特段お伝えしてなかったようです。そこで今回は「そもそもポスターとは?」という視点で色々調べ、考えてみました。
結論から先に申し上げると、「ポスターとは、文字や画像、イラストなどを組み合わせた平面デザインで構成された、情報発信や装飾を目的とした印刷物である。」と定義されるようです。たしかに、言葉としてはなるほどと納得できますね。
多くの人にとって、ポスターは日常のどこかで見かける「印刷物」に過ぎないかもしれません。しかし、その役割や意味を深く考えると、単なる紙の広告以上のものが見えてきました。
例えば、昔の商店街を歩くと、店先に手描きのポスターが貼られていたのを思い出します。古い映画を観てもその様子が確認できますね。新商品やセール等々、その内容は様々だった記憶がありますが、今思えばあれはただの宣伝ツールではなく、その時代の空気や人々の感性を映し出す「記録」でもあったと言えるのではないでしょうか。
ポスターとアートポスターの違い
ポスターとアートポスター。この二つを聞くと、どちらも似たようなものだと思う人が多いでしょう。でも、その背後にある意図や目的はまったく異なります。
一般的なポスターは、主に情報を届けるために作られます。例えば、新しい映画が公開されるとき、そのストーリーや出演者、公開日を知らせるために作られる映画ポスターが典型的です。情報を正確に、そして一瞬で伝えることが何より重要だと言われています。
一方で、アートポスターは「伝える」というより「愉しむ」ものです。私自身、アートポスターの魅力を知ったのは大学生の頃、部屋に初めて飾ったときでした。狭くてお世辞にも綺麗とは言えない部屋でしたが、お気に入りのレコードジャケットがプリントされたポスターを壁に貼っただけで、なぜかその空間が特別なものに感じられたのを覚えています。
ポスターを愉しむ方法
最近、友人が旅先で見つけた地元のポスターを集める趣味を始めたそうです。普通なら見過ごしてしまうようなローカルイベントの告知ポスターですが、独特のデザインや手書き感が魅力で、見ているだけでその土地の雰囲気が伝わってくるそうです。
また、古い映画ポスターをリプロダクションしてインテリアとして楽しむ人も増えています。一部のポスターは、もはや単なる広告ではなく、それ自体がアート作品として評価されています。時には数十万円もの値が付くこともあるのですから、驚きです。
デジタル時代におけるポスターの価値
今やスマートフォン一つであらゆる情報が得られる時代ですが、紙のポスターがなくなることはないでしょう。それどころか、アナログな手触りや質感がむしろ新鮮だと感じる人も増えています。部屋に一枚ポスターを飾るだけで、その空間の雰囲気がぐっと変わることもありますよね。そういう意味で、ポスターにはデジタルでは補えない力があるのだと思います。
ポスターの未来
ポスターは、ただの広告媒体ではなく、文化や感情をつなぐ架け橋のような存在でもあります。皆さんも次にポスターを見かけたとき、そのデザインやメッセージの裏側にどんなストーリーが隠れているのか、少し立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。それがいつもの見慣れた風景を、少しだけ新鮮にしてくれるかもしれません。
最後に
レトロなポスターに興味のある方には、古くは江戸時代からのポスターを鑑賞することができる、アドミュージアム東京をおすすめします。日本のポスターの歴史を感じることができる、興味深い施設です。
・常設展 https://www.admt.jp/exhibition/
・ポスターコレクション https://www.admt.jp/collection/category/?category_id=9