北欧アート~用と美の融合~について - a good view

北欧アート~用と美の融合~について

Googleで「北欧 アート」と検索すると、PLAYTYPETHE POSTER CLUBPAPER COLLECTIVEなど、デンマークを中心に数多くのアートポスターブランドの作品を目にすることができます。当たり前ですが、どれも北欧の家具やファブリックと相性が良い素敵なデザインが所狭しと並び、目移りしてしまいますね。今回は「北欧のアート」について、ざっくりレポートします。

画像はヘルシンキにあるエリザ デフォッセ・菊地さんのアトリエ

 

機能とデザインの両立

20世紀中頃から、北欧諸国のデザイナーたちは、デザインにおいて機能と美を見事に調和させた製品を数多く制作してきました。アートにおいてもその方向性は変わらず、視認性を考慮しつつも美的な要素を欠かさない、洗練されたシンプルさを備えた作品が発表されています。

 

画像はアルネ・ヤコブセンによりデザインされた1952年に発売のアントチェア(アリンコチェア) 出典:FRITZ HANSEN

 

自然と風景の影響

美しい自然や風景が、北欧のデザイナーたちに大きな影響を与えたことは言うまでもありません。風景の要素や自然の美が独自のアートとして表現され、観る者に北欧の大自然の魅力を感じさせる作品が数多く生み出されました。

 画像はフィンランドのキルピスヤルヴィ湖とサーナ山の眺め 出典:Visit Finland

 

抽象的なアートと幾何学的なパターン

アール・ヌーヴォーやバウハウス(20世紀にドイツで生まれた学校及びその美術運動)の影響を受けた北欧のデザイナーたちは、抽象的なアートや幾何学的なパターンを積極的に採用しました。これにより、シンプルでありながらも独自性のある洗練された美がデザインに反映されています。

画像は20世紀を代表するフィンランドの建築家、アルヴァ・アアルトの作品「Recycled Glass Collection」 出典:MoMA

 

色彩の活用

北欧のアートは色彩で満たされています。マリメッコに代表されるようなコントラストの強い色使いも多く、華やかな印象を与えながらもバランスが保たれていますね。色彩はコミュニケーションや感情の表現において非常に重要ですので、色彩を効果的に活用することで、作家のメッセージを強調したのかもしれません。

 

画像の作家はアストリッド・シルヴァン。ベルギー出身だがマリメッコでデザイナーとして活躍。 出典:Bukowskis 

 

ミッドセンチュリーデザインとの関連性

アメリカで生まれたミッドセンチュリーデザインは、ナチュラルな北欧デザインよりも、よりモダンで工業的なイメージがありますが、シンプルかつ機能的であるという原則や哲学を共有しており、両者が互いに影響を与え合っていると言えるでしょう。

画像は20世紀を代表する彫刻家・デザイナーのひとりイサム・ノグチの作品 出典:MoMA

 

いわゆる北欧デザインが世界中を席巻した時代のデザイナーたちの発想と感性は、現代のデザイナーたちにも受け継がれています。先述のポスターブランドのデザインを観ると、その影響が色濃く感じられます。

最後に北欧の現代アートが鑑賞できるギャラリーのサイトをご紹介します。

 

GSA ギャラリー

 

ルイジアナ美術館

 

トラップホルト美術館

 

 

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