母の日ギフトを選ぶ前に知っておきたい、贈り物の意味と新しいかたち

母の日ギフトを選ぶ前に知っておきたい、贈り物の意味と新しいかたち

毎年5月の第2日曜日に訪れる「母の日」が近づくと、カーネーションや色とりどりの花、贈りものが店先に並びます。日ごろの感謝をかたちにして伝える、大切な一日ですね。でも、なぜこの日が生まれ、どうして花を贈る習慣があるのでしょうか? 今回はそんな素朴な疑問をひもときながら、世界の母の日事情や、最近人気のギフトまでご紹介します。

 

アメリカ発、ひとりの女性の想いから

母の日の起源は、20世紀初頭のアメリカにさかのぼります。
1907年、亡き母を追悼するために教会で白いカーネーションを配った女性、アンナ・ジャービス。彼女は「母親への感謝は、生きているうちにこそ伝えるべき」と考え、記念日の制定を強く訴えました。その思いが広がり、1914年にはアメリカ連邦議会が、5月の第2日曜日を「母の日(Mother’s Day)」として正式に制定したのです。

この動きは世界中に広がり、日本でも戦後、アメリカにならってこの日が母の日として定着しました。

 

世界ではどう祝われている?

母の日は世界各国に存在しますが、その祝い方は国によって実にさまざまです。

たとえば、イギリスでは復活祭の3週間前の日曜日に「マザーリング・サンデー」があり、家族そろって教会へ行き、母親に感謝を伝えるのが伝統。タイでは王妃の誕生日である8月12日が母の日として国を挙げて祝われます。また、韓国では5月8日が「両親の日」とされ、母にも父にも感謝を伝える風習があります。

このように国や文化によって形は違えど、「親への感謝を伝える日」という思いは世界共通のようです。

 

なぜ、カーネーションを贈るの?

母の日といえば、やはりカーネーション。これはアンナ・ジャービスが、母が好きだった白いカーネーションを祭壇に飾ったことに由来しています。アメリカでは、生きている母には赤、亡くなった母には白を贈るという慣習もありますが、日本では赤いカーネーションが一般的です。

最近では、ピンクやオレンジなどの色とりどりのカーネーション、さらにはガーベラやバラなど、好みに合わせて選ばれることも増えてきました。

こうした花の人気の背景には、花業界のマーケティング戦略も少なからず影響しています。昭和初期から全国の花屋が母の日向けに販促を展開し、今では「母の日=花」というイメージがすっかり定着しました。

 

どれくらいの市場規模があるの?

母の日の市場規模は、2024年現在の正確な統計は出ていないものの、およそ1,200億円前後ともいわれています。花ギフトだけで年間400~500億円以上の売上があると推計されており、百貨店やオンラインショップにとっても大きな商戦のひとつです。

この時期は、スイーツや雑貨、コスメなどの需要も高まり、各社が母の日限定セットやラッピングなどで工夫を凝らしています。

 

最近の人気ギフトは? アートギフトにも注目

定番のカーネーションに加え、最近ではお取り寄せスイーツや高級フルーツ、リラックスグッズ、エプロンやハンドクリームなどの雑貨類も人気。さらに、旅行券やエステチケットなど、「体験を贈る」スタイルも支持を集めています。

なかでも近年、じわじわと人気を集めているのがアートギフトです。
インテリアが好きなお母さんに、部屋に飾れるアートポスターや小さな作品を贈る人が増えており、特に花をモチーフにした絵やインテリアに馴染む抽象画などが選ばれています。

「飾ることで気持ちが明るくなる」「自分では選ばないものだからこそ嬉しい」といった声も多く、アートは新しいギフトのかたちとして注目されています。

 

ありがとうを、かたちに。

母の日は、改まって「ありがとう」を伝えられる、年に一度の大切な日。
花でも、アートでも、お菓子でも、手紙でも——大切なのは、心を込めて選ぶこと。
そのひとつひとつに込められた想いは、何よりもあたたかく、きっとお母さんの心に届くはずです。

 

 

今回は色んなサイトの情報を参考にさせていただきました。

 

 

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