アーティストとデザイナーって何が違う? - a good view

アーティストとデザイナーって何が違う?

わたしたちのポスターの裏面には、「designed by~」というようにデザイナーさんのお名前が印刷されています。アートポスターなのに designed by でいいの? と思われた方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は「アートとデザイン、アーティストとデザイナーの違い」について、私たちの見解を述べさせていただきます。

アーティストとデザイナーは、どちらも創造的な活動を行う人々ですが、一般的には異なる役割とアプローチを持っていると考えられています。デザイナーは、問題解決や特定の目標の達成に焦点を当て、機能的で実用的なデザインを作り出すことに取り組んでいます。彼らは主に製品、グラフィック、ウェブサイト、アプリケーションなどのデザインを手がけ、ユーザーのニーズや目的、ブランドのアイデンティティなどの要素を考慮し、基本的には美的な要素と機能性を組み合わせたデザインを追求します。即ち、デザインとは与えられた制限の中でユーザーの視点に立ち、最大の結果を生み出すための過程と結果であり、説明を求められる領域なのだと考えます。


一方、アーティストは、主に自己表現や感情の表現を通じて創造的な作品を作り出すことに焦点を当てています。絵画、彫刻、音楽、映画、詩など、さまざまなメディアを使って表現することがあります。アーティストは、内面や周囲の世界からのインスピレーションを取り入れ、独自の視点や感情を作品に反映させるのです。彼らの作品は、美的な価値や個人的な意味を追求するために存在し、問題解決や特定の目標の達成に対し直接的には関わりません。アートはできるだけ制限を排除し、受け取る者にインパクトを与えるための自己表現を追求する過程と結果であり、自由な解釈が可能な領域なのだと考えます。

しかし、一部の人々は両方の要素を組み合わせた活動を行うことがあります。そもそもアートとデザインの境界は明確ではありません。両者は相互に影響し合い、両方の領域の特徴を持つことも多々あります。このような作者及び作品は、美的な価値と実用的な解決策の両方を追求することで、新しい視点やインスピレーションを提供してくれます。よってわたしたちは、デザイナーとアーティストそれぞれの活動は異なるアプローチを持ちながらも、クリエイティブな領域で相互に関連し合っていると考えています。

今回わたしたちがアートポスターなるものを制作、販売するにあたり、作者さんたちにはできるだけ自由に表現していただきながらも、サイズや形状、印刷方法や展示手法(複数枚飾ることを想定)という制限と、量産品であることを前提としてオファーしているので、敢えてアーティストではなくデザイナーとしてお名前を表記しました。実際のところ、皆さんアートとデザインの境界を自在に横断し、意識せずに融合させることができる方ばかりですので、表記の方法はあまり重要ではないかもしれませんが。

以上、ちょっと肩に力が入った文章になってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

署名にも個性が出てますね。

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