北欧デザインと幾何学柄の素敵な関係

北欧デザインと幾何学柄の素敵な関係

画像はエリザ デフォッセ・菊池さんの作品

 

北欧デザインと聞くと、シンプルで洗練されたインテリアや雑貨を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。その中でも幾何学柄(主に数学的な図形を組み合わせた模様)は、北欧デザインの重要な要素のひとつ。では、なぜ北欧デザインには幾何学柄が多く取り入れられているのでしょうか?

その答えを知るために、まずは北欧デザインの歴史を振り返ってみましょう。20世紀初頭にドイツで生まれた「バウハウス」の流れを汲み、北欧でもモダニズムのデザインが広がりました。モダニズムでは装飾をできるだけ省き、機能的で合理的なデザインを目指すため、幾何学的な形が多く取り入れられています。デンマークのデザイナー ヴェルナー・パントン(Verner Panton)は、カラフルで大胆な幾何学パターンを使ったデザインで知られ、彼の代表作「Panton Chair」は、曲線を活かしたモダンなデザインの象徴となっています。

北欧デザインは「機能美」の考え方と結びついており、見た目の美しさと使いやすさが共存するのが特徴です。無駄を省き、シンプルなデザインを追求する中で、直線や円、三角形などの幾何学的な形が自然と取り入れられるようになりました。スウェーデンのテキスタイルブランド アルメダール(Almedahls)は、シンプルな形を組み合わせたパターンを多く生み出しています。

幾何学柄と聞くとシャープでクールな印象を持つかもしれませんが、北欧デザインではやさしい色合いや手描き風のラインを活かし、温もりを感じるデザインに仕上げられています。スウェーデンのデザイナー スティグ・リンドベリ(Stig Lindberg) が手がけたテキスタイルには、丸みを帯びた幾何学模様が使われ、どこか遊び心を感じさせるものが多いです。

また幾何学柄は、単なるテキスタイルやインテリアだけでなく、アートの世界にも深く関わっています。幾何学的な形を用いた北欧アートは、ミニマルでありながらも視覚的に強い印象を与え、空間を引き締める役割を果たします。フィンランドのアーティスト ラルス・グンナー・ノルドストローム(Lars-Gunnar Nordström)やスウェーデンのオーレ・エクセル(Olle Eksell)のグラフィックデザインも、幾何学的な要素を活かしたアートとして高く評価されています。

北欧デザインは、森や湖、雪景色といった豊かな自然からインスピレーションを得ることが多く、幾何学柄の中にはこうした自然の要素を抽象化したデザインもたくさんあります。たとえば、フィンランドの有名なテキスタイルブランド マリメッコ(Marimekko)の「Kaivo(カイヴォ)」という柄は、水の波紋をモチーフにした幾何学パターンです。直線や曲線を使って、自然のリズムや動きを表現しているのが特徴です。

 

画像はマリメッコ(Marimekko)の「Kaivo(カイヴォ)」

 

そして、なんといっても幾何学柄の大きな魅力は、さまざまなインテリアスタイルに馴染みやすいこと。北欧家具の代表的なブランドである アルテック(Artek)やフリッツ・ハンセン(Fritz Hansen)の家具と組み合わせることで、空間にリズムを生み出し、シンプルながらも個性を感じさせるコーディネートが可能です。たとえば、幾何学柄のクッションやラグを取り入れることで、北欧らしい落ち着いた雰囲気を演出できます。

 

北欧デザインと幾何学柄は、機能美、自然とのつながり、モダニズムの影響など、さまざまな要素が組み合わさって生まれたもの。シンプルながらも、色や形の組み合わせ次第で個性を表現できるのが魅力です。アートや家具との相性もよく、空間をスタイリッシュにまとめる役割を果たします。もしインテリアに北欧デザインを取り入れたいなら、お気に入りの幾何学柄を探してみるのも楽しいかもしれません。a good view にもたくさんの幾何学柄ポスターがありますので、是非ご覧ください。

 

幾何学柄ポスターはこちら https://agoodview.jp/collections/geometric

 

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