AIに「かっこいいアートの一覧を作成して」と頼んで出来上がった画像。さまざまな“かっこよさ”が並んでいます。
「かっこいいアート」と聞いて、どんな作品を思い浮かべるでしょうか。
黒やグレーを基調にしたもの。直線的な構図。モダンな抽象画。余白のあるグラフィック。力強い線で描かれたドローイング。
そうしたイメージを思い浮かべる方もいれば、鮮やかな色づかいの絵や、軽やかな植物画、動きのある風景画に魅力を感じる方もいるかもしれません。
「かっこいい」は、色の濃さや迫力だけで決まるものではありません。
線の流れがきれいだったり、色の組み合わせに無理がなかったり、モチーフの切り取り方に意外性があったりする。そんなところに、思わず目が留まることがあります。
今回は、言葉の意味を手がかりにしながら、暮らしの中での「かっこいいアート」について考えてみます。
「かっこいい」という言葉の輪郭
「かっこ好い」の「かっこ」は、「かっこう(格好)」が音変化した語です。そこに「いい」が続いた言葉として考えると、もともと姿や形、見え方への評価を含んだ表現だとわかります。
デジタル大辞泉では、見栄えがしたり、態度や行動がさわやかだったりして心ひかれる気持ちを表す語として説明されています。
ここからは、アートに置き換えたときの考え方です。
かわいい、おしゃれ、きれい、渋い、かっこいい。
どれも、ものを見たときの感覚を表す言葉ですが、それぞれ少しずつニュアンスが違います。
かわいいは、親しみやすさや愛らしさに近い言葉。
きれいは、整った美しさや清潔感に近い言葉。
おしゃれは、見せ方や組み合わせのうまさに近い言葉。
渋いは、控えめな深みや落ち着きに近い言葉。
では、かっこいいはどうでしょう。
このコラムでは、甘さに寄りすぎず、どこか締まりがあること。余計な説明がなくても目に留まること。形や色、線の中に、その一枚らしい張りがあることとして捉えます。
そう考えると、かっこいいアートは、黒やグレーの作品だけに限られません。
鮮やかな色の絵にも、植物や動物を描いたアートにも、風景やグラフィックポスターにも、かっこよさはあります。大切なのは、色やジャンルではなく、その一枚にどんな張りや締まりを感じるかです。
かっこいいアートを選ぶときに見るポイント
かっこいいアートを選ぶときは、色、線、構図、モチーフなど、いくつかの視点から見てみると選びやすくなります。
色で見る
黒、グレー、ネイビー、深いグリーン、ブラウンなどは、落ち着いた雰囲気をつくりやすい色です。部屋の中に置いたとき、空間をすっきり見せてくれます。
一方で、明るい色や淡い色にも、それぞれの魅力があります。色の組み合わせがきれいだったり、全体のトーンが整っていたりすると、強く主張しなくても印象に残る一枚になります。
色数が抑えられているアートは、部屋にまとまりをつくりやすくなります。鮮やかな色を使ったものは、空間に視線のポイントをつくってくれます。
どちらが正解というより、部屋の雰囲気や、自分が心地よく感じるバランスを手がかりにするとよさそうです。
線や構図で見る
直線や幾何学的な形、左右のバランスが整った作品は、空間をすっきり見せてくれます。
曲線や勢いのある線、大胆な配置の作品は、部屋にリズムを加えてくれます。
また、余白の取り方によっても見え方は変わります。余白が大きい作品は静かに見えますが、画面の中に緊張感があると、強く主張しなくても自然に目を引きます。
ハシモトヒロコさんのHIKARINOWA(ヒカリノワ)
モチーフで見る
モチーフは、好みが出やすい部分です。
植物なら、葉の形や線の流れ。動物を描いた作品なら、表情や姿勢。風景画なら、光の入り方や画面の切り取り方。
どこに目が留まるかを見ていくと、自分にとってのかっこよさが少しずつ見えてきます。
かわいらしい題材でも、描き方や構図によって雰囲気は変わります。日常的なモチーフの中に、意外な強さや美しさを感じることもあります。
ado 渡辺真希子さんのカモシカ
かっこいいアートは、自分の感覚で選んでいい
かっこいいアートに、決まった正解はありません。
ただし、何でもよいということではなく、どこかに自分なりの理由があるはずです。
線が好きなのか。
色の組み合わせに惹かれるのか。
余白の取り方が気になるのか。
モチーフの見え方にひっかかるのか。
そうした小さな手がかりを拾っていくと、自分にとっての「かっこいい」が少しずつ見えてくるでしょう。
RのREST(レスト)
出典:デジタル大辞泉「かっこ好い」小学館、Kotobank


